どうしよう……。

仕事は辞めたいけど、乳離れ出来てない男に嫁姑関係で苦労させられるのもイヤだ。

悶々としながらロッカールームで着替えている時、今日の乗務終了を待っていたかのように、ケータイが鳴った。

―――出た……。ヒロトだ……。

全てを清算したくなったあたしは、テンションを急上昇させて電話に出た。

「ヒロト? 会って話したいことがあるの。え? 今? ダメよ。電話じゃ話せない。六時に画廊で待ってるから、絶対、一人で来て」

暗に藤山を連れて来るな、と釘をさした。

が、ヒロトはあたしのカラ元気に安心したのか、素直に『わかった』と言って電話を切った。