「失礼します」

ノゾミさんが玄関に入った。

「失礼します」

後からもう一人、学生服を着た男の子が入ってくる。

前髪に青いメッシュ。

前をはだけた学生服の下は、カルバン・クラインのタンクトップ。

―――だ、誰? この人……。

ノゾミさんは自分の後から入って来た男の子を振り返り、
「キミは関係ないんだから、外で待ってなさい」
と突き放すように言った。

それは普段のノゾミさんからは考えられないような冷たい態度だった。