脱ぎ捨てたジャケットの下で、ケータイが鳴り始めた。

優雅な音楽が布の中で、くぐもっている。

あたしは着信を無視して、尚道にしがみついた。

小太りなだけと思ってた男の意外な筋肉にグッとくる。

痩せてる男に抱き締められるより気持ちいい。

遠慮がちに、恐る恐る首筋に触れてくる唇の感触。

少しくすぐったい。