「ん?」

あたしは、まじまじとそのプリクラを見つめた。

「り、理沙?」

思わずそう言ってしまうぐらい、太った女の子の方は理沙に酷似している。

「高校の頃、私、メチャクチャ太ってたんですよ」

「こ、これ、沢井さんなの?」

「はい」

可奈子が頷いた。

まん丸な顔をして笑っている可奈子は、今より二十キロ以上は太っているように見える。

「カレとのことがバレて、単身赴任するはずだったパパのニューヨーク支社転勤に連れてかれて……。カレに会えなくなって精神的に参っちゃって、ゴハン食べられなくなったんです。その時、激痩せしちゃってから、あまり太らなくなったんですよねぇ」

残念そうに話している。

が、あたしは思わず
「別れて良かったじゃん、いろんな意味で……」
と呟いてしまった。

だいたい、可奈子の隣りにいるこの男……。

「どう見てもホストじゃん」

「さすが先輩。よくわかりますねぇ」

感心しているが、誰がどう見ても立派な水商売男だ。

「カレ、新人のホストだったんです。あの頃、まだヘルプだったけど、メチャクチャ素敵だった……」

可奈子はうっとり思い出すような顔をしていた。

「カレ、悠斗って言うんです」