ヒロトへの失望と、婚約指輪への執着。

あたしはペニンシュラホテルから持ち帰ったドギーバッグをブラブラさせながら、エアポートホテルのロビーに入った。

ロビーから見えるカフェに大島と赤木がいた。

楽しそうにしゃべっている。

赤木はいつもの切れ者ぶりをおくびにも出さず、優しげな表情。

恥ずかしそうに頬を染めて笑ったり、上目遣いに大島をチラ見したり。

いいカンジ。

けど……。

―――可奈子は?