しばらくして、がちゃり、とドアが開いた。

理沙かと思ったら、萩野だった。

尚道とは対象的。

あたしのランジェリー姿を見ても、顔色ひとつ変えやがらない。

こっちは間違いなく千人斬りの男だ。

「あたし今、着替え中なんだけど」

「ああ……」

言われてやっと気づいたように、出て行こうとする。

「もうアンタでいいわ。後ろ、ジッパーあげて」

「お前、自分でこれ、上げられねーの?」

「うるさいわね。何でもいーから、さっさとしてよ」

実は先週、このドレスのジッパーを上げようとして腕がつったのだ。