あたしは先に寝室に入った。

ベッドルームからも百万ドルの夜景が見渡せる。

ヒロトに対してより、この景色に欲情してくる。

―――ついにここまで来た。

ヒロトがあたしとの事を、いちいち藤山に報告してるのは気になるけど……。

その程度のことで、この極上物件を逃すわけにはいかない。

あたしは寝室の灯りを消した。

一面の窓ガラスが鏡のようにあたしの姿を映している。

自分自身の容姿に酔いしれながら、服を脱いだ。

―――何が好きって、自分の裸が一番好き……。