私なんかどうなってもいいんだ。

「もう、いい」

喋れば喋るほど、自分が惨めになるような気がしていた。



『目的地周辺に到着しました』

機械的なカーナビの音声が、目的地への到着を告げた。

車を停めたタケルが
「理沙ぶー。キスしようか」
と誘ってきた。

彼の方から誘ってくるのは初めてのことだった。

「………」

タケルに対する不信感で気持ちが沈み込んでいた私は、すぐに返事が出来なかった。