「何、見てんの?」

いきなり悠斗がケータイをのぞきこんで来る。

美穂が送りつけてきたメールの中の『不倫』という文字がなぜか目につき、慌ててケータイを閉じた。

「もしかして彼氏からのラブメール?」

「か、彼氏なんかいるわけないじゃないですかっ。結婚してるのに」

悠斗が肩をすくめるようにして笑った。

「結婚なんて、形式だけのもんでしょ? 紙切れ一枚、指輪イッコで気持ちまで縛ろうなんて、ムリだと思いません?」

「それは……そう……ですけど……」