手を繋ぎ、病院の外に出た私たちの目の前には、

何十台もの警察車両と、警察官が待ち受けていた。

「・・・ッチ」

博人が舌打ちしたのが聞こえた。



『彼女を離して、静かに手をあげなさい』

警察官の言葉に、博人は観念したのか、私から手を離し、

両手をあげた。


ジワジワと近づく警察官。

博人は何も言わず、警察官を睨んでいた。


両脇を警察官に掴まれた博人。

「心配しなくても、逃げも隠れもしないから」


私はその言葉に、安堵する…と、誰かが私を引き寄せた。

「・・・しゅ・・う」


そう、この腕の中は、私がたった一人、

安心できる安らげる人の腕の中。

「遅くなって悪かった・・・」

秀が何度も私に謝る。


私は笑顔で首を振る。

「・・・秀が来てくれるの分かってたから」


私が言葉を言い終わった瞬間、黒い影が、

秀目指し走ってくるのが見えた。

私は慌てて秀をかばった。

…ドス。

私のお腹には、カッターナイフが、突き刺さっていた。