私の旦那様は特殊捜査官

それから数時間後。

私は父からの呼び出しを受け、

警察署に来た。

…署長室。

私は父と、向かい合った。


「どうしたの、お父さん?」

私の問いかけに、父は優しく微笑んだ。


「ここは、犯人も入ってくることは無理だろう。

隠しカメラも、盗聴器もない事は確認済みだ」


父の言葉に、目を丸くする。


「どこからか見られたり聞かれては、

何も話せないし、何もできないだろう?

今は、私と琴美の二人だけだ、安心して話すといい」

そう言って微笑んだ父に、

私は安堵の溜息をついた。



「…お父さん私ね、秀と」


「秀と離婚なんかしてないから安心しろ」


「・・・え?」

「秀が離婚届を出す際に、一緒に紙切れを貼っていた。

自分は警官で、この離婚届は受理しないでほしいと。

でも口では、受理したと言ってほしいと」