私の旦那様は特殊捜査官

博人の言葉に、

結の顔には、笑顔が戻っていた。


「うん」


「よし、いい子には

僕からいいものをあげよう」


「…本当?」


「本当だよ。

これからそれを買いに、お出かけしようか?」


「うん!」


博人は結と手を繋ぎ、

街へと歩き出した。


どこから見ても、親子にしか見えない。

結は笑顔で博人の手を握っているし、

博人も優しい顔つきで、結を見つめる。


・・・まさか、

誘拐犯と、誘拐された少女だと、

誰が疑うだろう?

行きかう人は、誰一人として、

疑う事もなく、通り過ぎていく。

博人と結は、人込みの中へ消えて行った。