私の旦那様は特殊捜査官

「…お願い、秀。

私の事を愛してるなら、

私の願いを叶えて・・・」


何とか絞り出した言葉。

離婚なんてしたいわけがない。

私には秀しかいない。

秀だけを愛してる・・・



「…琴美、それは犯人からの条件か?」


「結の命の為なの・・・

私と秀の大事な子供の命がかかってる」


この言葉を言うのは躊躇った。

博人はどこからか私たちを監視してる。

目の前に秀がいる事もわかっているのだから、

この会話も、盗聴されているかもしれない。

いや、きっとされているだろう。


言葉を選ばないと、

博人の気持ちを逆なでしてしまうから・・・


「・・・わかった。

…今だけ、琴美の願いを叶えよう」

そう言った秀は、私の手をゆっくり握りしめた。