あの日の直ぐ後の事だった
静まりかえった夜
咲弥香は一人
犬とジャレて居た時だった
「遊からのメールだぁ」
着メロと色で解った咲弥香は慣れた指でメールを開いた。
《あんた遊と付き合ってんだよね?》
‘えっ?誰?’
咲弥香は何かを焦りながら返信を打った。
<誰?勝手に遊の携帯からメールしないでよ>
少し怒り口調で言った。
女の人だったら...
そう思うと悲しくて、痛かったからだ。
‘遊なんて呼び捨てで呼ばないで’
なんて心のどこかで囁いた
《あんたには関係ないじゃん。て言うかさーマジで遊と別れて。あんたのせいで遊が怪我したりしてたんだから。》
‘へっ?’
少し震えた指でボタンを打つ
<どういう事?遊どうしたの?大丈夫なの?>
《練習中に遊がぼーっとしてて来たボールに気が付かないで怪我したんだよ。あんたのせいでしょ?遊の邪魔しないで》
涙が今にも流れそうなくらい溢れ出る。
そこにあるのは
涙だけだった
