『廣瀬さーん』 看護婦さんに言われ、咲弥香と母親は中へ入って行った。 『どうしたんですか?』 「お腹痛くて」 それだけを言うと先生は体を見てくれた。 『う〜ん…学校に行く日だけが痛いんじゃないかな?』 えっ? 体が凍り付いたように固まった。 ママにバレルんじゃないかって。 学校の事、手首の傷、知られたくは無い事が頭を横切った。 「ち..違う!」 そう咲弥香は言い放った。