その夜咲弥香は自分の部屋で一人ベットに腰を下ろし、考え事をしていた。 ‘言っていいよね?’ もう一度自分に問い掛けた。 ‘大丈夫’ って自分に言い聞かせるしかない。 遊から来るメールが罪悪感を感じる。 「言わなきゃ!」 そうハッキリ決めたのだ。 <遊!話なきゃいけない事があるの…> 《なに?》 咲弥香は慣れた手つきでメールを討ち始めた。 先輩と会ってされた事、思った事を文章にした。 送信を押した後、他の事をする事もなく、携帯の待受画面だけを見つめていた。