青春色~キミがくれたモノ~

そう。母は私の事が嫌いで嫌いで憎くてしょうがない存在だから。
さかのぼること五年前。父は、とても優しい人で、母とも仲が良かった。その時は家族皆で心から笑いあえる日々を過ごしていた。
―そんなある日。
父が突然病に倒れた。 白血病で、大分悪化していて余命は持って二週間だろうと残酷な宣告をされた。 それでもお医者さんや父の頑張りで、二週間が過ぎようとしていた日。 ベッドに横になっている父を看病していた。 「お父さん、ちょっとトイレに行ってくるね」
その時が優しい父の最後の姿だった。