「泣いてもいいんですよ。」






「泣きません。」






泣きたくないと言ったらうそになるが私は泣かない。だって、私が売られれば父はお金も入れて幸せになるから。





父が幸せだから、私は泣かないよ。






ね、お父さん。





「でわ、お入りください。」




執事さんはそういって黒いベンツの車をサッと開けた。




「ありがとうございます・・・。」





そういうが、中々入ろうとは思えない。だってこんな高級車にこんなボロイ服をきた女が乗っていいのか?




やっぱり、そう思ってしまう。