学校に近づくにつれて俺の怒りはまた、 ふつふつと煮えたぎっていた。 だからだろうか、いつもはベタベタと寄ってくる 女どもは誰一人近づいてこなかった。 俺は一旦教室に行き、荷物を置いて、 侑仁を見た。 侑仁は凛に何かあったことを悟ってくれたのか、 俺にゆっくり、力強くうなずいてくれた。 俺もうなずき返し、教室を出た。