熱心にやればやるほど結果の出る仕事は、すごく好き。
あれこれ勧めながら頭の中で合計金額計算して、今日はもういくらくらい売ったとか昨日よりいくら下がったとか、お金のことばかり考えて、それを顔に出さないように涼しい顔をしてる。
「ありがとう、またくるわ」
「ありがとうございました」
そしてまた一人、お客様を見送り下げた頭を上げた。
「…、」
自然と口から出る溜息に、やはり疲れているのだろう。
(今何連勤目だっけ…忘れた)
笑顔を作り、販売成績を上げながらも気持ちがどんどんと沈んでいく理由は、疲れと…それと
『……』
記憶に残る、あの横顔。
思い出す度心が痛む。
いくら一時的に救われた気持ちになっても、結局現実は変わらない。そう、思い知る。