「……」



それ以上は、合わせられることのない瞳。その横顔にはこちらへの関心なんてまるでない。

その空気から逃げるように、荷物を置き浴室へと入った。



「…、…」





苦しい、痛い。

あの横顔に思い知る。現実に、戻る。



(…ダメ)



私はこんな気持ちになってはいけない。

沖くんの言葉に、優しさに、救われた気になんかなっちゃいけない。



戻れない

日々を壊したのは、私



その代償に、足は一生踊り続ける。



悲しくてもつらくても

赤い靴は、踊る。