そんな気持ちを抱え、家へ着いたのは時計が22時を指す頃。
ーガチャガチャ…キィ、
(…あれ?鍵あいてる、)
帰宅した自宅のいつもなら真っ暗であろう玄関には、すでに明かりがついている。
「…?」
「…おかえり」
「将吾…」
リビングを覗き込めば、そこには既にシャワーを浴びた後らしい将吾の姿があった。
予想外のその姿に、思わず驚いてしまう。
「どうしたの?随分早い…」
「…別に、たまには早い日くらいある」
「そう…なら連絡くらいくれればいいのに」
「いや、いい。こんな時間に帰るってことは、どうせお前は今日も仕事だったんだろ」
「…、」
「……」
最低限の会話だけをすると、将吾は背中を向けついていたテレビへ視線を戻した。