「ちょっと!どういうこと!?」



その日の仕事中、突然響いた怒鳴り声に店頭でマネキンを着せ替えていた私は驚き小走りで駆け寄る。



「どうかされましたか?」

「あっ、店長〜…」



するとそこには今にも泣きそうな吉田さんと、怒りで顔を真っ赤にした30代くらいの女性がいた。



「どうもこうも…私がレジで待ってるのに、この子そこで友達と話してたのよ!?やっと来たと思ったら『すみません』の一言もないし!」

「…吉田さん、こちらのお客様が仰ってることは事実?」

「す、すみません…事実です、」

「どういう教育してるの!?見た目ばっかり良くしても中身がこれじゃ最悪よ!!」

「……」



お客様の怒る理由は最もで、収まる様子のない怒りに私は深く頭を下げる。