ひと気のない白い廊下

そこに、コツコツと響く小さな足音。



(…この前散々泣き顔見せたから、行き会うのちょっと恥ずかしい)



けどあなたにも

伝えたい、言葉があるよ





「…結さん?」

「……」



響いた声に振り向くと、後ろには少し驚いたような顔でこちらを見る沖くんの姿があった。



「沖くん」

「おはよう。昨日いきなり休みって聞いたけど…」

「うん、病院いってきたの。軽い捻挫だって」

「そっか…ってあれ、何かいつもより小さい?」

「?あぁ、これのせいじゃない?」