(…折角久しぶりに早めに帰れると思ったのに)



まぁ事情があるから仕方ないけどさ…。

一時的でも期待していたこともあり隠せない落胆に、はぁ…と溜息をひとつつきながら従業員が行き交う通路をカツカツと歩く。

すると不意に、足に何かがガッ!と引っかかった感触。



「!」



突然のつまずきに私は受け身をとることすらできず、その場にドタッと勢いよく転んだ。



「いたた…」



思い切りぶつけた膝をさすりながら振り向けば、そこには通路の端に置かれた大きなゲームの機械。

恐らく5階にあるゲームセンターに運ぶ途中、ここに置かれたものなのだろう。その機械の足元に、私はつまずいたらしい。