「脱げないのなら、俺が脱がしてあげる」





囁いて、腫れた足へと手をかける。





「結さんの、赤い靴」





ゆっくりと脱がされるのは

見栄と強がりと言う名の、赤い靴。



瞬間、軽くなる心にまた涙が溢れ出す。





「…ありがとう…」





完全に許されるわけじゃない。

自分のしたことが消えるわけじゃない。

だけど、彼の言葉ひとつひとつに

嬉しさや愛しさを感じずにはいられない。



ありがとう

あなたという光ひとつで

素足のまま、歩いていける