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明けた朝、私は今日もバッチリと化粧をしてヒールを履いて家を出た。

もうすぐ冬になるこの季節。ストッキングを履いてるとはいえ、タイトなミニスカートとパンプスはさすがに寒いものがある。



(…我慢、我慢)



けれど寒さに背中を丸めるのは格好悪いから、背筋をピンと伸ばしてはお店への道のりを歩く。



でも今日は中番だし、久しぶりに早く帰れる…。



いつもラストまでの仕事ばかりだから、仕事の後は寄り道もせず自宅へ帰ってしまうけれど、中番だったら帰る頃にもまだお店はやっている。

仕事帰りにマッサージでも行こうか、そんなことを考えながら暖房の効いたビルへ入りお店を目指した。



「おはよう」

「あっ、店長!大変です!」

「?」



すると、やってきたお店にいた早番の吉田さんはこちらを見て焦ったように駆け寄る。