「じゃあ、次。佐伯。……ん? 佐伯姫芽、休みか?」


授業中。

クスクスとした笑い声がクラス中から漏れている。


「いないならーー」

「います! いますからぁ!」


あたしは耐えきれず勢いよく立ち上がった。


「おお、いたのか。見えなかった」


先生の一言に笑い声は大きくなる。


「お前もう少し前の席の方がいいんじゃないか? なんでそんな後ろにいるんだ」

「っーー!? 昨日、席替えしたからでしょー!!」