こんな気持ちは初めてだった
守りたい、そんな感じだった
この子が幸せだと
笑う顔が見たかった
小『なんか変な感じにして
ごめんなさい、さよなら』
また歩きだした後ろ姿を
抱きしめていたのは
無意識だった
キツくすると
壊れてしまいそうだった
小春の頭にアゴをのせて
肩を包むと良い匂いがした
甘いけど、香水ではなかった
小春はなにも言わなかった
雅『俺の話、黙って聞いて?
西野さんの話きいてて
俺が笑わせてあげたいって思った
顔が可愛いとか、声が甘い
そんなんじゃない
強がんな
寂しかったんだよな
俺に守らせて?』
小春は黙ったまんま
こくん、とうなづいた
嬉しくて嬉しくて
今まで身体を重ねた女達とは
恋をしてなかったのだと
確信させられた
小春をもちあげて
ぎゅーっと抱き締めた
小『くすぐったいです
なんとか先輩』
雅『雅也!(笑)
知らないの当たり前やけど
傷つくなあ』
小『ねえ先輩』
雅『ん?』
小『送ってくれるって
さっき言ってましたよね?』
雅『お送り致しますお姫様!』
んふふ、っと笑って言った
小『じゃあ行きましょ』
そっけな(;ω;)
と、思った
会話振っても
あー、とか
ですよねー、とかしか
言ってくれない小春
そして家の近くで
脚を止めた小春
小『ありがとうございました
ここ、車あんまり通らないので
明日の朝も迎えにきてください
ばいばい雅也』
きゅんとした!
きゅんとした!!
きゅんとした!!!
死んでもいいと思ったね
この日は毎月、
幸せな記念日になる
この子を大切にしようと
自分に言い聞かせた
そんな春の一日
