小『突然ごめんなさい
彼じゃない男の前で泣くのは
反則な気がして逃げちゃいました』
謝った?
泣いてる女は大体
抱きついてくるか
悲劇のヒロインになりきる
と、思ってた今まで
そして俺は
鈍感だったことにまた
気づかされる
小『山下先輩のことは
名前しか知りません
あたしを知らない人にしか
好きと言われたことがないんです
よくわからない先輩とか
挨拶しかしたことがない
友達の友達』
うるうるの目で俺を見て
小春はいった
小『あたしのこと
優しいとか面白いとか
そんな理由で好いてくれる
人はいないんですね』
唖然とした
この子はこんな子だったのか
そして誤解していた
自分が恥ずかしくなった
可愛いってチヤホヤされて
困ったら泣いて
拗ねているときは
周りが過保護に愛してくれる
そんな子だと思っていた
でも目の前にいた女の子は
可愛いと言われ傷ついて
一人で涙かくして
周りを怖がっていた
きっと、この自分の悩みは
同性からは嫌がられると
わかっていて
かといって男友達ができる
タイプでもなく
寂しかったのかな
