昨日のことだった。 「やっぱり菜緒のこと好きだわー、俺」 “あのさ”と前置きをして何を話し出すかと思ったら、 啓太は何度目か分からないその言葉を吐いた。 「…また?」 私は率直な感想を述べた。 または無いだろ、と苦笑いする啓太を見て、 冗談ではなく本気だということが分かる。