ケチャップのないオムライス【短編】



振り向くとそこには千春の彼氏が立っていて、

どうしたの、と声をかける前に

私の目の前には彼の胸があった。



「キミに一目惚れした」


彼の言葉に私の胸は締め付けられた。

いけない。駄目。
この人は…。


顔を上げると目があって、私は彼の唇を求めていた。




“友達の彼氏”から“一人の男”に変わる瞬間だった。