裏切り者って呼ばれるぐらいなら、

恋なんてしなきゃよかったかしら。


情事を終えたあと、
小さな寝息をたてて眠る彼の隣でふと考えた。


ねぇ、私って裏切り者よね?



―そうよ、あなたは裏切り者。



後ろで声がしたような気がした。

大丈夫、気のせいだから。