「亡くなったの」 亜矢子さんの言葉に固まってしまった。 「事故でね、五年前に亡くなったの。トラックに轢かれて即死だった」 驚いて口が開いたままだった。 彼はきっと、有名な企業に就職して、 仕事も上手くいっていて、 可愛い彼女と結婚目前なんだろうな、 とか勝手に想像していた。 “プリンス”として幸せな毎日を過ごしているんだと思っていた。