ケチャップのないオムライス【短編】





「…とみさん、里美さん?」




ハッと現実に戻る。

どうやら上の空になっていたようだ。






「すいません、思い出してました。



プリ…徳永くん、お元気ですか?」





思わず当時のあだ名で呼びそうになった。



亜矢子さんの髪にくしを通しながら訊ねると、苦笑いを浮かべた。








聞いちゃいけなかったかな。