「私、昔からよく男に間違えられるんです。 今はもう無くなったけど言われるんです。 男の子みたいだね、って」 それから話したのは、名前が要だから“くん”をつけられること。 さっきもナンパされて振り返ったら男じゃん、と呟かれて 逃げられたこと。 彼は顔を上げて私の話をただ黙って聞いていた。 私が話し終えると、彼が口を開いた。