「俺のこと、信じられない?」 彼は私に聞いた。 見たこともない、悲しい目で。 彼のことを、信じられない訳じゃなかった。 だけど彼は慣れた様に私に甘い言葉を囁く。 先程まで、他の誰かにも言っていたかのように。 そんな彼のことを、 私は、 信じられなかったはず、だったのに。