ケチャップのないオムライス【短編】



「もう一口ちょーだい」


「一口だけって言ったじゃない」




「もう一口くれたら、諦める」


何を…?




真剣な顔をしたトシユキに素直に聞くことが出来なかったのは、


考えてることの予想がつくから…




トシユキのお酒を飲む手が止まっていることとか、


決して冗談を言う空気じゃないこととか、



それくらいは私だって分かる。





「くれないなら、俺はずっと…」