彼は弱々しく
空を見上げると、
どこへと
歩いていってしまった。


「待って。」


無意識のうちに
彼に向かって
そう呼び掛けていた。


彼は
一瞬とても驚いた顔を
したが、
すぐに表情を戻し
『どうしてここに?』


と、
きいてきた。


わたしは
無視されるとばかり
思っていたから、
それはとても嬉しかった。