小学校高学年に上がった頃から、
理人のことが好きな女子にいじめられるようになった。
私は強い人間じゃないから、よく、君の前で泣いてしまったね?
君に八つ当たりしてしまったね?
君が悪いわけではないのに、随分とひどいことをした。
そして、そんな私は決まって後悔をし、
また違う意味で泣いて言ったよね?
『ごめん』
その頃一番よく口にした言葉は、怒らずに慰めてくれる、君への謝罪の言葉だった。
『ごめんじゃなくて、ありがとう』
その頃一番よく耳にした言葉は、笑いながら慰めてくれる、君からの訂正の言葉だった。
だからかな?
あの日私を好きと言ってくれた君に対しても、
私はいつも通り謝罪の言葉を伝えたよね?
だって、信じられなかったから。
君が本気で私を好きなんだって、確信が持てなかったから。
だからね、かばってくれるために嘘をつかせてしまった申し訳なさで、
私は言ったんだよ?
ごめん、って。
そしたら君は、やっぱり言ったよね?
ごめんじゃなくて、ありがとう、って。
でも、それを口にした君がいつもと違ったのは、、、
とても寂しそうに笑ったことだった。