「……へぇ」 「黙ってて、ごめん」 俯いたままの理人が、どんな表情なのかはわからない。 だけど、今の自分がとても醜い顔をしているのはわかる。 理人に彼女がいた? なのに毎朝私と登校してたの? こんなふうに寄り道して帰るの? 「今日は帰る。あと……」 ――――明日からは迎えに来ないで。 理人の考えてることがわからない。 もやもやしてる自分の気持ちがわからない。 ただ、この日を境に、 私たちの時間は交わりを閉ざした――。