いやいや、あの2人が強いのはわかったから、なおさら止めないと向こうが大怪我しちゃうんじゃない?
「心配するな。そんな大事になんない。あいつらも加減してるからな。」
響くんが私の心を察したように言った。
それを聞いて、ようやく私は肩の力を抜いた。
「そういえば、あともう1人いたよね。」
あの人は途中からいなくなっちゃって…。
「いたけど、春斗はマイペースだから1人でどっか行っちゃうんだよねー。」
楓くんは、はぁ、とため息をついた。
あの人、春斗くんっていうんだ。
覚えとこう。
「そろそろあいつら帰ってくるな。」
急に、響くんがそう言った。
と、同時に扉が開く。
