颯太くんは少しだけ、彼の家族の話をしてくれた。 中学までは家族4人で暮らしていたこと。 両親は仕事ばかりでほとんど家にはいなかったこと。 悠斗くんは可愛がらずに、お兄さんばかりを可愛いがること。 引っ越しのとき、彼は自ら1人あの家に残ると言い出したこと。 「―――――俺から話すことじゃなかったかもしれないけど、隼斗くんに会うなら知っといた方が良いかと思って。」 彼は最後にそう付け加えた。