涼と一緒にいた所は確実に見られていた。 それなのに何も言えない私も、何も言わない彼も間違っていた。 離れゆくものを追えない彼の苦しみを知っていながら、 私は、自分を守ろうと必死だった。 小さいプライドを守ろうと必死だった。 心のないキスをする彼が、それを受け入れる自分が疎ましくて仕方がなかった。