「べ、別に、なんでもないもん」
こういう時だけ気付くなんてホントにずるいんだから、もう。
それなのに、気にしてくれてるって事が嬉しくて少し機嫌が直る。
「え、そ、そう?なんか悩んでんならちゃんと言えよな?」
………。
そう言って心配してくれる彰君。
だけどさ?
悩んでるって言えば、彰君の事についてだからさ、本人にそんな事言えないじゃん?
ど、どうしよ。
「あ、彰君ってさ、バスケ好きだよね」
あたしといえば出てきた言葉はというとこれ。
あー、そんなの好きって言うに決まってんじゃんね?
何聞いてんだろ、あたしはさ。
すると、彰君はキョトンとしながら
「お、おう。勿論、どのスポーツよりも何よりも好きだよ。バスケしてる時ってこうー、なんか楽しいって言うかさ」


