あたしがまだ三歳の時の記憶。





「彰君、いつまでバスケットボールで遊んでるのー?」



あたしは二個上のお兄さん的存在の彰君に話しかけた。




彰君はあたしの近所に住んでいて、あたしのことを妹のように扱ってくれる優しいお兄ちゃんだ。





「んー、もうちょっとー」




彰君はそう言いながらバスケットボールをついていた。



まだボールの方が大きくて、すごくやりにくそうだ。



五歳の彰の手ではボールは上手く操れていない。




でも、それでも彰君は目を輝かせながらバスケに夢中だった。