「……羽瑠」

こっちを見て一瞬顔がゆがんだ。

肩がビクッと揺れるのがわかった。

「………凌!」

私はこっちへ近づいてくる凌に

抱きついた。

「……羽瑠やめて…」

「…なっ……んで…」

「…羽瑠には彼氏いるじゃん……」

彼氏…ああ…神樂君のことか…

「…神樂君は彼氏じゃないよ…

わけあって彼氏のフリしてたの…」