でもまさか階段から落ちて記憶が

戻るとは…。

「……有丘さん…凌君のとこに

行かないの?」

有丘さんは俺のほうを向いた。

涙を流していた。

「…………神樂君……

ごめんなさい…

ありがとう…彼氏のフリしてくれて…」

「え?」

「…………結構楽しかったよ…

でも私、凌が好きだ……

ありがとう…」

そう言ってニコッと笑った。