私が入学してから2ヶ月ほどたった。
バドミントン部に入部。

毎日のように体育館裏で練習している野球部に会うのが少し嬉しい日々だった。


入部してすぐ気付いた。
禮木は野球部だということに。


よく考えれば短い髪型が、"彼は野球"
と物語っているようだった。

そして時々、体育館裏から窓をノックして
笑いながら時間を聞いてくることがある。

私はそれを待っていた。

クラスでは人気者でみんなが集まるし
女子にはモテモテでよく囲まれている姿を見る。


地味で目立たないように生活したい私がその女子の中に入れるはずがない。

私はすごく地味なわけではない。
普通に友達もいるし明るい性格だ。
けれど目立ったことはしたくない。
<楽しい>この感情だけほしいんだ。


だから体育館裏は唯一禮木と話せる場所なんだ。

さりげなく外を気にして、目があうように
そうして野球部の練習を見ている時もとても楽しかった。