ケータイを見ると禮木からだった。

『ごめん、昨日寝ちゃった。
宿題のページ違ってたよ!!』

私は全然聞いてなかったからか
宿題を聞かれたことすら忘れていた。
『ごめん、うちもあんまり聞いてなかったから。本当ごめん。』

当たり障りないメールを送り、ベッドにダイブした。


頭を巡る龍佑の声と香代の言葉。

<禮木のことでもすきになった?>

いやいや、ないだろ。
そう何度も心の中で繰り返した。

でもカッコいいんだ。
すきになったって当たり前。

龍、佑。
龍佑、龍佑!


こんな時まで龍佑を考える自分がとても
惨めで愚かに感じた。


「ダメだ…。寝よう」

そう呟くとすぐに夢の中に吸い込まれた。